「事務職で働いているけど年収がなかなか上がらない」と感じられる方は多いのではないでしょうか。
では、なぜ事務職は年収がなかなか上がらないのか、上がらない理由と、年収を上げるために実務で役立つ資格をご紹介します。
目次
事務職とは?
事務職とは組織に欠かせない重要な職種です。社内の業務を円滑に進めるための橋渡しの役割を担う仕事となり、会社には欠かせません。
一般的に、書類・資料作成、会議室予約やデータ入力、ファイリング、事務作業の他に来客対応、備品発注や補充など会社全般におけるサポート業務がメインです。
事務職と言っても種類は様々で、専門知識を必要とする事務職もあります。
事務職カテゴリーの中で、代表的な5種類の主要な事務職をご紹介します。
- 一般事務:主な業務は文書作成・管理、電話対応、スケジュール管理などです。PCスキル(Word, Excelなど)とコミュニケーション能力が重要です。
- 営業事務:受注処理、顧客対応、営業サポートが主な仕事です。数字への強い関心と顧客対応力が求められます。
- 貿易事務:輸入業務に関係する、関税・消費税の納付や商品の納入管理といった業務も行います。
- 医療事務:診療報酬請求、患者対応、カルテ管理などが主な業務です。医療事務資格と医療知識が必要です。
- 経理事務:仕訳入力、決算処理、財務諸表作成などを担当します。簿記検定や会計ソフトのスキルが重要です。
事務職の給料が低いのは本当?
事務職の給料が低いのは本当です。
転職サイトdoda(デューダ)が発表した職種別の平均年収ランキングでは、全11職種の中で、事務職は10位と低い順位に位置しています。
平均年収は343万円で、他の多くの職種を下回っています。この結果は、事務職の給与が比較的低いという一般的な見方を裏付けるものとなっています。
参照:doda
事務職の給与が低いと言われる背景には、以下の要因が考えられます。
1、学歴・資格による格差
高学歴や専門資格保有者は高給を得やすい一方、そうでない場合は低水準に留まりがちです。この二極化が「低い」という印象を強めています。
2、雇用形態の影響
派遣社員など、一般事務でも給与が上がりにくい雇用形態が存在します。これらの待遇が全体の平均を押し下げる要因となっています。
3、性別による差異
残念ながら、依然として性別による賃金格差が存在します。女性が多く従事する事務職では、この格差が顕著に表れ、全体的な年収の印象を下げています。
これらの要因が複合的に作用し、事務職の年収が「低い」という一般的な認識につながっているのです。しかし、専門性を高め、キャリアを積むことで、この状況を打破することは十分に可能です。
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キャリアアップしやすい事務職とは
キャリアアップしやすい事務職、それは専門性の高い職種です。
例えば、経理事務がその代表例として挙げられます。
経理事務は、企業の財務状況を管理する重要な役割を担っています。この職種では、会計や税務に関する専門知識が求められるため、スキルアップの機会が豊富です。
キャリアアップの道筋としては、まず日商簿記検定の取得から始め、徐々に上位級を目指すことができます。
また、経理の知識は様々な業界で必要とされるため、キャリアの選択肢が広がります。転職の際も有利に働くでしょう。
事務系資格の年収比較
資格の取得は大変ですが、年収アップに繋がります。
先ほど述べましたが、一般事務職の平均年収は343万円です。
資格を取得した経理事務従事者の平均年収は484.6万円に達します。(※2)
さらに、経験を積み50歳まで第一線で活躍すると、年収は550.49万円まで跳ね上がります。これは、専門性と経験が高収入につながる好例と言えるでしょう。
参照:厚生労働省
資格取得でやる気と実務力をアピール!
資格を取得するには時間と労力が必要ですが、それだけの価値はあります。
資格は、あなたの「やる気」と「実務力」を証明してくれます。これは、転職や昇進の時に大きなプラスになります。
例えば、MOSならパソコンスキル、簿記なら経理知識、TOEICは語学力、ITパスポートはIT基礎知識、秘書検定はビジネスマナーの証明になります。
事務職におすすめの資格7選
事務職におすすめの資格を紹介します。
専門性を磨き、収入アップの可能性を広げる、あなたの武器となる資格をチェックしましょう。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
MOSは、ExcelやWordなどのOffice製品の操作スキルを証明する資格です。レベルは、基本的な「スペシャリスト」と、より高度な「エキスパート」があります。事務職なら絶対に役立つスキルなので、就職や転職の際にも有利です。
簿記
簿記は、会社のお金の流れを記録・計算・整理する技術を学ぶ資格です。日商簿記検定は3級から1級まであって、3級は基本、2級は実務レベル、1級はプロフェッショナルレベルです。経理事務はもちろん、一般事務でも財務への理解が深まるので、仕事の幅が広がりますよ。
TOEIC
TOEICは、英語でのコミュニケーション能力を測る試験です。リーディングとリスニングの2つのパートがあって、990点満点で評価されます。グローバル化が進む今、英語力はどんな仕事でも武器になります。特に、外資系企業や貿易事務を目指す方には必須な資格です。TOEICで800点を取得し、転職後に海外取引先とのやりとりを任され、年収が上がった方もいます。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎知識を証明する国家資格です。情報セキュリティやネットワーク、データベースなど、幅広いIT知識が学べます。今やどんな仕事でもIT抜きでは考えられません。この資格を取れば、IT関連の業務にも対応できる、より頼りになる事務職員として評価されるはずです。
秘書検定
秘書検定は、ビジネスマナーや企業常識を証明する資格です。3級から1級まであって、社会人としての基本スキルから、経営管理に関する高度な知識まで幅広く学べます。単なる事務作業だけでなく、スムーズなコミュニケーションや適切な対応ができる人材として評価されます。
文書情報管理士
文書情報管理士は、2級、1級、上級まであり、デジタル時代の文書管理のプロフェッショナルを認定する資格です。この資格は、紙とデジタル両方の文書を適切に管理し、活用する能力を証明します。デジタル化が進む現代に重宝される資格の1つです。
ビジネス文書検定
ビジネス文書検定は、実務に直結する文書作成能力を評価する資格です。ビジネス文書の作成スキルを証明し、3級から1級まであります。正確で分かりやすい文書の作成、適切な文書形式の選択、効果的な文章表現とレイアウトなど、ビジネスコミュニケーションに欠かせない能力を習得できます。
資格取得に必要な勉強時間
資格取得に必要な勉強時間は、個人の経験や能力によって異なります。
以下に、一般的な目安を示します。効率的な学習計画の参考にしてください。
資格名 | 推定勉強時間 | 備考 |
MOS | 30~50時間 | • 普段からOfficeを使用している人は短縮可能 • 各アプリケーション(Word, Excel等)ごとに必要 |
簿記 | 3級:80~120時間 2級:150~200時間 | • 会計知識がある人は時間短縮可能 • 1級は更に長期の学習が必要 |
TOEIC | 100~200時間 | • 現在の英語力と目標スコアによって大きく異なる • 継続的な学習が重要 |
ITパスポート | 100~150時間 | • IT関連の基礎知識がある人は時間短縮可能 |
秘書検定 | 2級:50~80時間 1級:100~150時間 | • ビジネス経験がある人は時間短縮可能 |
文書情報管理士 | 2級:80~120時間 1級:120~180時間 | • 実務経験により大きく異なる |
ビジネス文書検定 | 3級:30~50時間 2級:50~80時間 | • 文書作成の経験がある人は時間短縮可能 |
効率的な学習のポイント
- 自分の現在のレベルを正確に把握する
- 明確な目標と期限を設定する
- 学習計画を立て、定期的に見直す
- 実践的な問題演習を多く取り入れる
- 苦手分野を重点的に攻略する
これらの時間はあくまで目安です。個人の学習ペースや理解度に合わせて調整することが大切です。また、資格取得後も継続的なスキルアップを心がけることで、実務での活用力を高められます。
まとめ
この記事では、事務職が低収入と言われる理由と、キャリアアップを目指せる実用的な資格をご紹介しました。
適切な資格取得は、専門性を高め、収入アップの可能性を広げます。
ご紹介しました資格は実務に直結するため、あなたの市場価値を高める強力なツールとなります。
自身の強みと目標に合わせて選択し、計画的に学習することで、より充実したキャリアを築けるでしょう。
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